鋼などの金属材料は熱によって劣化(熱脆化)します。
下図は一般的な炭素鋼の温度による引張強さのグラフですが、温度が上がるにしたがって、機械的性質が劣化していることがわかります。

財団法人 綜合鋳物センター 鋳鋼の高温特性 より抜粋


使用する環境によっては、熱脆化がおき難い材質が必要とされ、これまでに様々研究されてきました。 そしてその中で一般的な材質はJIS規格の耐熱鋼(鋼材:SUH、鋳鋼:SCH)として定められています。
通常の鋼に比べて劣化は小さいものの、熱脆化が起こらないわけではく、世界中のメーカーは、 より熱脆化が小さい材質の開発に必死です。

私たちは、様々な耐熱材の研究を重ねるうちに、アメリカのクライマックス-モリブデン社で研究された 「Super 12%Cr Steel」という材質に出会いました。名前のとおりC:0.1〜0.3%、Cr:12〜15%含む材質で、 使用環境・目的に応じ、さらに様々な添加元素を加えるというものです。

「Super 12%Cr Steel」は加える添加元素に応じ、ClassT、ClassU、ClassVと分類され、使用用途は蒸気機関のタービン、 戦闘機やミサイルのボディ、さらには原子力発電所のタービンなど、高温高圧・加熱冷却の繰り返しなど、 まさに過酷な環境下で十分にその役目を果たせる材質です。組織はファイン・パーライトをマトリックスにもち、 こすり摩耗にも強いのです。

耐摩耗という観点からこの材質を評価するにあたり、耐摩耗材として知られる高マンガン鋼と比較してみましょう。
高マンガン鋼は高い伸び・靭性を有し、衝撃などが加わることで表面が組成変形・硬化し、優れた耐摩耗性を発揮する、 非常に優れた材質です。しかも比較的安価な為、様々な場面で用いられています。
しかし、その優れた高マンガン鋼も大きな弱点があります。それは非常に熱に弱いという性質です。 これは、熱に曝されることにより、組織が局所的にオーステナイト→マルテンサイトへ変化し、その結果、極端に強度が低下し、 一般に熱脆化と呼ばれる現象が進むのです。


上図は「Super 12%Cr Steel」と高マンガン鋼とを比較したグラフです。熱が加わるにつれ、 引張り強度が低下しているのが分かります。「Super 12%Cr Steel」はその低下が緩やかですが、 高マンガン鋼は370℃付近を境に、極端に劣化しているのが分かります。
この温度範囲では、高マンガン鋼に期待される性質はまったく活かされません。そのため、熱を受ける環境で 高マンガン鋼を用いることは、お勧めできません。
近年、高マンガン鋼の高温における欠点を補うべく、Crを12%程度添加し、さらに数種の微量元素を加えることによって、 500〜900℃の高温における衝撃摩耗性を実現した材質も開発されております。 この材質は、まさに「Super 12%Cr Steel」の耐熱性と加工硬化前の硬さも持ち、 さらには高マンガン鋼独特の加工硬化性を併せ持つ材質といえましょう。

有限会社 仁メタル では、この究極といえる「Super 12%Cr Steel」を鋳造いたします。またJIS規格にない、 その他耐摩耗材・耐熱材も鋳造できます。まずは弊社にご相談ください。御社に最適な材質を低価格にてご提供いたします。
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