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夢追い人・・・その名は錬金術師 第1話
「錬金術」・・・こんな文字を見ると、先ずは、広辞苑を開きたくなるのではないでしょうか。
「古代エジプトに始まり、アラビアを経てヨーロッパに伝わった原始的な化学技術。近代科学の基礎が作られるまで全ヨーロッパを風靡。卑金属を金、銀などの貴金属に変えるとか、不老不死の万能薬を製造することを試みた。しかし、これらには成功しなかったが化学物質を取り扱う技術の発展を促した。・・・賢者の石」 と記載されていて、さらに「賢者の石」とは、「あらゆる物を金、銀に化したり、万病を癒す力を持つと信じられた物質のことで、中世の錬金術師がひたすら求めたもの」とのこと。 なにか、陰湿な魔女の秘薬作りを連想するとか、政界の錬金術師と言わている胡散臭げな男の顔が浮かんできたりして、それでなくともマイナーなイメージに結び付いてしまうのではないでしょうか。 なんとかして金を作り出したい・・・鉄や銅、亜鉛といった金属などから金銀ができたら大儲けができるという、いわば一攫千金の夢を追いかけて日夜、錬金術師たちは研究に励んでいたのです。 たとえば銅に亜鉛を加えると黄色い金属ができる。これこそ、金と思ったでしょうが、どうやら金より軽く、しかもだんだんと色が変わる。これはやはり完全無欠の金ではない。まだ浄化が足りないと考えたに違いないのです。 アルミ青銅は、アルミ金と言はれています。銅とアルミの合金ですが、色合いは金に似ています。しかも海水による腐食にも強い。それこそ「金が出来た・・・」と雀躍りしたのではないでしょうか。 脱線しますが、アルミの発見はナポレオン一世の頃で、その軽さと丈夫さに驚いたナポレオン皇帝は、自らの王冠にアルミの塊を取り付けたということは、つとに知られたことなのです しかし合金学・・・「学」とは言わないまでも、この世界での基礎は、中世の錬金術が、その発祥と言っても過言ではないと思うのです。 錬金術と現代の金属工学、この類の話題を、金属学の学者が取り上げては、いささか、まやかしっぽく感じ、障りがありはしまいか・・・」と危惧され、また取り上げもなさるまい。 しからば、わたしのような中小企業の鋳物従事者で、少しだけ金属を判る者が、趣味の程度に纏めたことを、皆様にお伝えする分には格好の読み物になるのではないか・・・と愚考して、この欄に登場させたのです。 |