技術と経験
俗に、「鋳物ミズモノ」とか、「溶解はヨウカイ変化」とも言われます。
しかし、鋳造学は学問であり、技術です。技術は1+1=2が基本です。最初の1は材料。もうひとつの1が工法、すなわち作り方のマニュアルです。1が1でないと、いつまでたっても「不良」と付き合っていかなくてはないません。
確かに、「不良」も経験のひとつに違いありません。成分配合、方案、溶解に関連するだけでなく、湿度や気温などのファクターに左右されることもあります。未だに、不良の発生原因に首をかしげる事が多いことも事実です。
過去に、13Cr鋳鋼が羊羹のように苦も無く千切れることを経験しました。
高マンガン鋳鋼の組織に炭化物が残り、機械的性質が劣化して困ったこともあります。熱処理したにもかかわらずドリル加工ができないこともありました。
どんな不良にもその原因はあります。調査や関連実験の結果、先の13Cr鋳鋼の場合は、成分のバランスによって、やわらかいフェライトのα相が析出し、その相に沿って破断が進んでいくことがわかりました。右の写真は高マンガン鋼のシャルピーは面のSEM像です。
理論的に難しいことばかりではありません。水中に急冷したつもりが、製品同士がぴったりと重なり合っていたために、水に触れず、まったく冷えていなかったということがありました。後で考えれば、笑い話にしかならないことですが、そのときは真剣に悩みます。経験したくないことを経験し、ヘマを積み重ねた結果、俗に言う「甲羅をへた・・・」事も事実です。
そして、冒頭に申しました1+1=2という結論に達し、マニュアルを忠実に守るというあたりまえのことに行きつきました。それに加えて、この道の先人、権威の方々のお教えをいただくことができる幸せを感じております。

是非、私ども 有限会社 仁メタル を有効にご利用ください。