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第十五話 刃物の切れ味をよくする方法と永持ちさせる工夫A 日本熱処理学会名誉会員 大和久重雄 最近では刃物の切れ味をよくして永持ちさせるために、作るときに深冷処理(零下処理、サブゼロ処理)を行っています。ヘンケルの刃物は-100℃(フリオデュールといっています)にしていますし、又-196℃(液体窒素、これをクライオ処理といいます)のクライオ処理をすると3〜5倍永持ちします。液体窒素を使うのがイヤならドライアイス(-80℃)にオンザロックしてもよいのです。刃物には是非深冷処理を適用してください。 次に刃物の切れ味を永持ちさせる工夫ですが、それには先ず第一にさびさせないようにすることです。使った後はよく水を切っておくことです。ステンレスといっても全くさびないわけではありません。たださび難いだけです。したがってさびには注意することです。
又切刃にストレスが溜ってはいけません。刃物は使えば切刃にストレスがかかるわけです。このストレスが切れ味を低下させます。したがって、使った後はストレスをとってやることです。ストレスは刃物の切れ味を悪くするばかりではありません。人間の健康にもよくないのと同じなのです。人間のストレスはお風呂に入って暖めるととれますね。それと同じように刃物のストレスも使った後お湯に入れてやればいいのです。このストレス除去は刃物の切れ味を永持ちさせる一寸した智恵です。大いに活用してください。また同時に同一の刃物を使いづめにしないことも大切です。着たきり雀はいけません。時々休ませてやって下さい。 さあ、それではここで纏めておきましょう。切れ味のよい刃物を作るには ・ステンレス鋼 ・800HV ・クライオ処理の3点セット、 切れ味を永持ちさせる使い方は ・水気をとる ・ストレスを除去する ・砥ぎの3点セットがポイントということになります。 |