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第三話 アルミダイカスト鋳物の不良 斎藤秀夫 ダイカストは生産速度が速く、たちまち製品として出来上がるので、ひとたび不良ができると大変なことになります。原因の追求とその対策を考えることは確かに重要ですが、後追い的なそれよりも、あらかじめ不良を作らない対策を立てるべきなのです。 それにはユーザーと、作り手のメーカーの事前の話合いが何よりも大切なこととなります。 下記の打ち合わせ事項を見てください。メーカーが作りやすい、すなわち不良が少ない鋳造設計は、とかくユーザーの利と反することが多いのです。 たとえば、製品の形状を変えてもらえばそれだけ作りやすいのは当然なのですが、ユーザー側としては形が変わるのは困ります。メーカーとしては楽に抜型できるようにおおきな抜け勾配をつけたいところですが、そのようなことをメーカーが勝手にやってしまうことは出来ません。 なによりも両者の「擦り合わせ」が必要なのです。 @ 製品の肉厚 A 抜け勾配の配慮 B リブを何処に、どんな大きさのものを付けるか C 押し出しピンの大きさと場所 D 分割金型のロケーション E 製品の形状 金型設計で不良率が左右されます。したがって管理技術者が重要な役割を占めることは当然で、その育成が大切な課題となっています。 金型にかかる費用を出来るだけ軽減する仕事も、実はこの段階なのです。
つづいて実際の作業中に発生する不良について説明しましょう。 これには幾つかの発生原因があり対応も違ってきます。 まず最初に、金型がある条件範囲になるまで溶湯を注ぎ温度上昇を図るのですが、これは不良と呼べないものの、当然製品にはならないので廃却します。この分を出来るだけ軽減することは当然です。そして一旦、温度が上がれば、金型を水で冷却し、その加減によって一定温度範囲に保つように調節します。 この条件下では連続して良品が得られるはずなのですが、時として範囲から外れてしまい不良が発生することがあります。この範囲が狭いか広いかは最も大切ですが、発生した不良がどのような原因で出来た不良か、その原因の追求は重要なことになりますが、それよりも不良品をいかに早く見つけ出すかが最大の課題になります。 鋳造業界の中でダイカストの占める量は、まだ少ないのですが自動車部品に限らず、軽量化、精密化、コストダウンの面からも鋳鉄鋳物に取って代わるものとして今後、益々の伸びが期待されています。 |